美容師×アイリスト 〜兼業の魅力〜

トータルビューティーサロンが美容業界に新しい変化を起こす

アイリスト(まつ毛エクステ施術者)という職種は、2008年に美容師免許の取得が義務化されました。

それまでは美容師国家資格がなくてもアイリストの仕事に就くことができましたが、技術面での統一性のなさや、衛生面、施術面での目のトラブル報告が相次ぎ厚生労働省が義務化にしました。

まつ毛エクステの業界は、美容業界の中では歴史が浅く20年程になりますが、最近ではトータルビューティーサロン(美容室内でまつ毛エクステ・ネイルなどを取り入れるサロン)が参入し、美容業界に新しい変化が起き始めています。

美容師免許を活かしてアイリストへ転職

アイリストの仕事は美容師免許が義務化されて以来、減少の一途をたどっていましたが、最近では美容専門学校からの新卒採用や、元美容師からアイリストへの転職、美容師との兼業のケースなどアイリストとして活躍する人口は安定してきました。その背景にはアイリストとしての働きやすさが挙げられます。

ご存知のとおり、美容師の離職率は一般業種に比べ高い水準になっており、中でも女性の離職率が約75%を占めており、本来安定して活躍するはずの30代以上の離職率が多くなっています。

理由は様々ですが、年代により結婚、出産、子育て、ご主人の転勤や、介護問題など家庭環境の変化や、給与・昇給、労働時間による体力の問題などの労働環境への不満が多くを占めています。そのほかでは、腰痛でシャンプーが辛い、手荒れが治らない、薬液のアレルギーが原因のため、やむを得ず美容師を諦めてしまった人もいます。

アイリストは美容師国家資格をいかせる職業であることが前提ですが、美容師または元美容師からアイリストに転職する傾向が強くなった5つの働きやすさを紹介します。

①アイリストとしてデビューが早い

一般的にはジュニアアイリストとしてデビューまで2~3ヶ月(シングルラッシュ)

②時間管理がしやすい

マンツーマンで行うまつ毛エクステの施術時間は60分~90分のコースがほとんどで、固定客の再来も月に1回~2回と、次回予約と時間管理が明確で効率が良いです。

③腰痛の人も負担が少ない

アイリストの施術は座って施術をするので、腰への負担は軽減できます。しかし、0.15㎜のエクステを2本のツイザーで1本1本慎重に皮膚にグルー(接着剤)をつけないように丁寧に施術をするので、目の負担は大きく肩こりに悩むアイリストは多いです。

④手荒れ・薬液のアレルギーがない

美容師に比べると皮膚への負担が圧倒的に少なく、薬液を直接触る環境はありません。

⑤ブランクがあっても復帰がしやすい

美容師の場合、ヘアデザインのトレンドや、新発売される薬液、カラー剤、商材などを常に使いこなしていくための技術トレーニングが必要になりますが、アイリストの場合はサロンによって異なりますがシングルラッシュのみ取り扱いのサロンから、ボリュームラッシュ、カラーエクステ、フラットラッシュ、まつ毛パーマ、下まつげエクステ、アイブローメニューなど豊富なメニューを扱うサロンまであるものの、アイリストとしてサロン経験が1年以上ある人であれば、ブランクがあってもサロン内講習を受ければついていけない技術ではありません。そのため、出産や育児が落ち着いたタイミングで復帰することができます。

美容師の最大の強みとは?

美容師なら当たり前のことかもしれませんが、美容師はお客様の骨格・顔の長さ・横幅などのバランスをコントロールしながらカットをしています。他にもボリューム調整のためにパーマを提案したり、肌の色に合わせてカラーを選んだり、一人一人のライフスタイル・雰囲気・ファッション・個性など、トータルバランスを見て提案ができる習慣が自然と身についています。

まつ毛エクステの講習会ではこのトータルバランスについて「まつ毛エクステの施術は目元ばかりに集中しがちで、顔全体をとらえてデザインをしないと目元だけが浮いてしまうので気を付けましょう」と教えてくれます。トータルバランスの提案に長けている美容師なら、ヘアだけではなくまつ毛エクステも一緒に提案することで施術の幅が広がり、顧客満足度も上がりトータルビューティーサロンとして差別化をはかることもできます。

出産・育児のブランクがある人はパート採用として、今後の働き方を悩んでいる人はトータルビューティーサロンで美容師×アイリストとして活躍をするなど、美容師としての最大の強みを活かして新しい働き方にチャレンジするのも良いですね!

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