美容師免許発行と再発行のポイント
美容師免許の取得には、厚生労働大臣または都道府県知事の指定した美容学校(以下養成施設)に入学する必要があります。そこで昼・夜間課程2年、または通信課程3年を修了し、国家試験の受験資格を取得できます。美容師として活躍するためには、この「国家資格」である美容師免許を取得しなければなりません。ここで免許取得へのステップをよく把握して憧れの美容師を目指しましょう。
美容師免許を取得する意味とそのための方法
美容師免許を有する美容師は、美容室やヘアサロンで髪を切ったり、カラーリングしたり、パーマをかけたり、セットをしたりと、お客様や来店される人の容姿を美しくすることが仕事になります。美を扱う職業ですが、人の肌や髪の毛に触れるので、衛生上の問題として感染症などを避けるためにも、衛生管理として公衆衛生・環境衛生・感染症・衛生管理技術・美容保健としての人体や髪の構造及び機能・皮膚科学などの専門的な知識や正しい理論を学ばなければなりません。
また、その知識や理論に基づいた正しい技術を要して施術していきますので、国として美容師免許の取得を義務付けています。美容師免許が無くても美容室で働くことは可能ですが、クリンネスや洗濯、受付業務などに限り、お客様に触れて施術する行為を行ってはいけません。
美容師免許を取得するには厚生労働大臣指定の美容学校(以下養成施設)に入学し、基礎知識や正しい技術を学び、卒業しなければ美容師免許の受験資格が得られません。
美容師免許の試験は2月頃と8月頃の年に2回行われます。試験内容は、筆記試験と実技試験に分かれており、両方合格しないと美容師免許は取得できません。なお、筆記試験と実技試験どちらか1つしか合格できなかった場合は、次回の試験に於いて合格科目の方は免除される優遇措置があります。
美容師免許試験合格率
-
- ・ 令和3年 第44回(8月)の合格率 60.1%
- ・ 令和3年 第43回(2月)の合格率 85.6%
- ・ 令和2年 第42回(8月)の合格率 61.7%
- ・ 令和2年 第41回(2月)の合格率 85.1%
- ・ 令和元年 第40回(8月)の合格率 58.1%
このように続いており、80%台と60%前後が交互になっているのは、美容学校在校生の合格率が高い傾向だということです。
美容師免許申請の方法は2種類
美容師免許の申請には直接、「公益財団法人 理容師美容師試験研修センター」へ行って申請を行う場合と、郵送で行う方法の2種類があります。
① 直接行う場合
管轄エリアが全国8ブロック事務所に分かれていますので、申請する地域の管轄エリアをホームページで確認してみましょう。
申請の受付時間は、土・日・祝日を除く平日9:30~12:00、13:00~16:00迄なので、この時間帯に必要な書類を持って訪問してください。
② 郵送で申請する場合
必要書類を同封し簡易書留で郵送をします。ただし、書類に不備があると再度送付が必要となり時間もかかります。書類の有無、記入漏れがないかしっかりチェックしてから郵送しましょう。なお、試験に合格してから申請までに期限は設けていないので、以降いつでも必要に応じて申請は可能です。
- 申請書類の送付先
-
- 公益財団法人理容師美容師試験研修センター「免許登録申請書在中」
〒 135-8507
東京都江東区有明3-7-26 有明フロンティアビルB棟9F
TEL: 03-5579-6878
- 公益財団法人理容師美容師試験研修センター「免許登録申請書在中」
申請の際に必要な書類
美容師免許の申請に関しては「公益財団法人理容師美容師試験研修センター」のホームページより、ダウンロードし入手できます。印刷して漏れがないように記入してください。
- 必要書類のポイント
-
- 1. 戸籍抄(謄)本(本籍が記載されていれば住民票でもかまいません)
戸籍抄(謄)本は市区町村役所(場)で交付してもらいます(有料)住民票の場合には「本籍が記載されているもの」と請求する必要があります。ただし、発行から6ヶ月を過ぎてしまうと無効となり、再度交付してもらうようになります。 - 2. 精神の機能の障害に関する医師の診断書 (PDF-6ページ)
精神の機能の障害に関する医師の診断書は、添付の診断書の様式を使用し、医療機関で作成してもらってください。診療科はどこでも構いません。お近くの医療機関へ問い合わせをして受診をしてください。ただし、有効期間は申請時より1か月以内の診断書になります。診断書の発行は一般的に有料となり、料金は数千円~で医療機関により異なるため、事前に問い合わせておきましょう。 - 3. 9,000円分の収入印紙の購入(登録免許税)
美容師名簿登録に係る登録免許税として、9,000円分の収入印紙を購入しておきます。こちらは、申請書の表面に貼り付けます。 - 4. 5,200円払込み済の振替払込請求書兼受領証またはご利用明細票(申請書の裏面に貼る)
申請手数料の5,200円はゆうちょ銀行にて払い込みします。このときの振替払込請求書兼受領書または、ご利用明細表は申請書の裏面に貼り付けますので大切に保管しておきます。(振替手数料は自己負担)
- 1. 戸籍抄(謄)本(本籍が記載されていれば住民票でもかまいません)
美容師免許紛失!再発行の手続きが必要なケースとその手順
美容師免許を紛失してしまった場合は、速やかに「公益財団法人理容師美容師試験研修センター」にて再発行の手続きを行ってください。必要書類は、公益財団法人理容師美容師試験研修センターのホームページより、ダウンロードが可能です。
- 美容師免許証再交付の手順
-
- 1. 免許証再交付手数料4,150円をゆうちょ銀行の口座に振り込む
受領証または利用明細票を申請書の裏面に貼り付けますので大切に保管しておきましょう。 - 2. 申請書の記載欄「免許証を交付した者・登録番号・登録年月日」を記入
申請書の記入として「免許証を交付した者・登録番号・登録年月日」の記載欄があります。わからない場合には空欄でも良いですが、コピーを取るなりして控えておくなどの管理も必要です。再交付後、紛失した免許証を発見したときは、5日以内に返納します。郵便局の窓口より、必ず簡易書留で送付してください。簡易書留のお問い合わせ番号は、大切に保管して郵便の追跡にご利用ください。概ね、2~4週位で郵送します。
- 1. 免許証再交付手数料4,150円をゆうちょ銀行の口座に振り込む
免許証が破損してしまった場合にも紛失の場合と同様に手続きをします。
ただし、破損してしまった免許証も申請書と一緒に送る必要があります。
結婚等で氏名や本籍地が変更になった場合にも免許書の書き換えが必要になります。
美容師「名簿訂正・免許証書換え交付」申請に関するお手続きの案内
この申請書では、次の方が対象となります。
-
- ・ 美容師名簿の登録事項(本籍地 (都道府県名)又は国籍、氏名、性別 )に変更が生じた方
- ・ お手持ちの美容師免許証の記載事項を変更して新たに交付する方
- 必要書類の準備
-
- 現在の戸籍確認
戸籍抄(謄)本または本籍が記載されている住民票(申請日から6か月以内のもの) - 美容師名簿との照合
美容師名簿に記載されている本籍地、氏名等登録事項が確認できる戸籍抄(謄)本
※免許証の原本の添付があれば不要 - 美容師名簿の登録事項変更に係る登録免許税
収入印紙1,000円分(申請書の表に貼ります) - 書換え交付する前の免許証(美容師免許証の原本)
封筒に入れる際は表が外側になるよう折りたたんでください。
※旧姓の免許証をそのままご利用になり名簿訂正のみ行う方は、免許証のコピー(表と裏面(知事免許)) - 免許証書換え交付手数料
3,750円を払込んだ受領証またはご利用明細票(ゆうちょ銀行の口座に払込みしてください)申請書の裏面に貼り付けます。
- 現在の戸籍確認
※同じ都道府県内での引っ越しで本籍地が変わった場合には書き換え交付の手続きの必要はありません。他の都道府県に移動した場合のみ手続きが必要になります。
美容師免許再発行の注意点
美容師免許の再発行の手続きは難しいことではありませんが、注意しなければならないことがあります。それは「本籍地」です。本籍地を求められると、現在の住所を記入してしまいがちですが、現在の住所と本籍地が同じだとは限りません。本籍とは、戸籍のある場所のことを指し、本籍地がある区役所や市町村役場に保管されています。もし、本籍地が分からない場合には住民票を交付して確認ができます。
書類や申請方法に不備があった場合、先方から連絡は来ません。申請してから一般的には2週間ほどで再発行された免許証が届くはずです。もし、1か月経っても何のリアクションもない場合は、必ず問い合わせをしてみましょう。美容師免許証を紛失したからと言って再発行は可能ですが、それなりの「費用・時間・手間」が必要です。大切な美容師免許証なのでしっかりと管理したいものです。
まとめ
美容師免許証の再発行は可能ですが、それなりの「費用・時間・手間」が必要となります。紛失等をさせないことが一番良いですが、万が一のために再発行手続の方法を知っておくだけでも安心しますよね。そして、美容師免許証は自分の夢に向かって努力してきた証しでもあります。大切に保管管理していきましょう。