美容師になるにために必要な国家試験とは?

小さい頃から美容師に憧れていた人
大人になってから美容師の仕事に興味を持つ人
美容師を目指す理由は人によってそれぞれ。

しかし美容師になるためには、国家資格の”美容師免許”を取得することから始めなければいけません。大前提として、お客様の施術ができるのは美容師(スタイリスト)のランクからです。

そこで「美容師になりたい」と思っている方へ、美容師免許の取得方法や国家試験の難易度や合格率、過去問から試験内容をまとめます。

美容師国家資格って?

美容師として働ける資格である「美容師免許」は、美容師法に基づき厚生労働大臣が認定し看護師や栄養士といった職業と同じ国家資格。美容師国家資格を取得するためには、厚生労働省から認可を受けた専門学校で規定の授業単位を取ることで受験資格が得られます。

美容学校は、全日制(昼間課程)、夜間課程、通信課程の3つのタイプに分かれ専門的な知識や技術を習得することが必要となります。気になる美容学校を探したい方は、まず各地の厚生労働省認可の学校をチェックしてみてください。

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国家試験の時期と内容は?

国家試験は年2回、2月と8月に実施されどちらを受験しても構いません。一般的に通学制の美容学生は2月、通信制の美容学生は8月とそれぞれ卒業を控えた時期に受験することが多いため、学校のカリキュラムやスケジュールに合わせて準備を進めましょう。

試験の内容は「実技」「筆記」の2科目に分かれ、その両方をクリアすれば晴れて美容師国家資格を取得できます。美容師試験の場合、毎年の合格率は80%を超えハードルは高くない試験です。なお、筆記・実技試験のどちらかだけ合格した場合、合格した試験は次回受験時に免除してもらうことができます。

次回受験する際に勉強する範囲も少なくて済む分、合格できる確率も高くなるなどメリットある制度ですが、申請が必要となりますので注意してください。

美容師国家試験の受験者数

美容師国家試験は、1年に2回、2月と8月に開催されます。1年間の受験者数の推移はここしばらく横ばいの状態が続いていて、おおよそ20,000人ほど。グラフは平成17年から26年の受験者数推移です。

美容師国家試験は難しいの?

「国家試験」という言葉を聞くと「難しそう」「落ちたらどうしよう」と考えてしまい緊張する方も多いのではないでしょうか? 気になるポイントは「難易度」ですよね。合格率は、2月実施の試験は新卒生の割合が高いため概ね80%、8月は概ね50%です。

毎日の授業をしっかりと受け、過去問などで試験勉強をすれば合格できる筆記試験に比べ、実技試験は、日頃の練習がとっても大切です。授業だけでなく、自主的な練習を日々繰り返すことで自信とスピードがついてくるため本番でも焦らずに実力を発揮できるようになります。

第39回理容師美容師国家試験 合格率

(2019年3月28日理容師美容師試験研修センター発表)
・理容師|受験者数:1,156人 合格者数:923人(合格率79.8%)
・美容師|受験者数:18,521人 合格者数:15,956人(合格率86.2%)

試験科目

【実技】
1.美容の基礎的技術
第1課題:カッティング(ヘアカット)
第2課題:ワインディング又はオールウェーブセッティング 2.美容を行う場合の衛生上の取り扱い
用具類の衛生状態及び衛生上の取り扱い

【筆記】
・関係法法規・制度
・衛生管理(公衆衛生、環境衛生、感染症、衛生管理技術)
・美容保健(人体の構造及び機能、皮膚科学)
・美容の物理・化学

実技試験

第1課題
カットの技術に加え、理容師はシェービング、美容師はパーマの試験科目が追加されます。パーマ実技は、指定の時間内にウィッグに対していかに綺麗にバランスよくカラーを巻きつけていけるかを見られます。毎年、試験内容に大きな変化はないので十分に練習を積み臨みましょう。

第2課題
ワインディングはロッドを髪に巻く作業、オールウェーブセッティングはヘアスタイルを作り上げるためのセット技術です。ポイントはスピーディー且つ丁寧に行う必要があるため、日々の練習で技術をしっかり習得しましょう。

 

筆記試験の対策方法は?

筆記試験内容は毎年変わりますが、大幅に出題範囲が変わることはなく比較的合格率は高いです。筆記試験の対策として、日々の勉強内容を過去問(公益財団法人理容師美容師試験研修センター公表)と照らし合わせながら知識を習得し、毎年の傾向や対策をしていくことができます。

第24回試験以降それぞれの過去問へ繋がるリンクからダウンロードしてご活用ください。

http://www.rbc.or.jp/pdf/40bhikki.pdf

合格後の進路

試験に合格後は勤め先となるサロン探しからまずはスタートです。自分の将来像やなりたい姿、理想の働き方などを考慮して条件に合うサロンを探していきしょう。未経験者OK!新卒OK!というサロンが増え就職しやすい環境も整ってきた一方で、離職率が高いことも美容業界全体が抱える課題です。

福利厚生が充実した大手企業で働きたいのか、人間関係の良いアットホームなサロンで働きたいのか、しっかりと収入をもらえるサロンが良いのか、スキルを最大限伸ばしキャリアアップを目指しバリバリ仕事をするサロンが良いのか…、様々な選択肢からしっかり自分と向き合い進路を悩み決める時期です。

しかし、学校の先生や自分一人で集める情報では量も質も十分でない可能性があります。

そんな時は、求人サイトを運用している「就職・転職・採用のプロフェッショナル」に相談するのも一つの方法です。日々、働くスタッフの人柄や雰囲気、働く条件、現場の声など様々な情報を集めています。

大きな可能性を秘めた美容師免許

国家資格である美容師免許を所持していれば、サロンでスタイリストとして勤務できるだけではなく、まつげエクステの施術スキルを身に付けアイリストとして働くことができます。またヘアメイクアップアーティストとして広告業界やブライダル業界、芸能界での仕事など様々な分野で活躍することができます。

その他美容師に関する資格の種類

美容師免許の他、仕事に活用できる資格もあります。 ・管理美容師 ・福祉美容師・訪問美容師 ・ヘッドスパ資格

管理美容師

衛生管理などを行うための資格で、必ず従業員が2名以上いる美容室の場合、1名以上の管理美容師が必要です。3年以上の業務経験があり講習を修了するだけで取得できます。将来独立を考えている場合にも取得しておくと良いです。

福祉美容師・訪問美容師

高齢者や身体の不自由な方へ安全に施術を行う資格で、美容の技術と介助などの知識が求められます。高齢化社会において重宝される民間資格であり、自ら赴き施術を行う場合も多いため訪問美容師とも呼ばれています。講習を修了するだけで取得可能です。

ヘッドスパ資格

美容室などで基本のシャンプーはもちろん頭皮ケアやマッサージの技術を学び、ヘッドスパ技術を磨く資格です。講習を受け学科と実技の試験に合格することで資格を取得できます。美容師としてスキルを高めたい方におすすめです。   人を素敵に変え、人に感動を与えることのできる職業 “美容師”。ここまで美容師の国家試験についての情報や資格取得後の進路についてまとめました。免許取得までの道は決して容易だとは言えませんが、美容師国家試験は努力を怠らなければ、きっと合格できます。ぜひ前向きにチャレンジしてくださいね!

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